支援活動を通じての気付きと反省
2016年 03月 11日
池袋で今日も頑張る不動産鑑定士( ^ー゚)
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こんばんは。佐藤麗司朗です。
最近のブログの更新は長嶺さんが担当となり、フェイスブック以外ではすっかり筆不精となっております。
さて、未曽有の大震災から五年が経過します。
このように、災害発生から何年ということを嫌がる方もいらっしゃるかと思いますが、ご容赦を頂ければと思います。
昨日は、日本弁護士連合会が主催する「新たな被災者の生活再建支援制度の構築に向けて~東日本大震災・原発事故5年の教訓を踏まえて~」に参加してきました。
(シンポジウムの様子)
災害復興まちづくり支援機構で共に汗を流した弁護士・中野明安(日弁連東日本大震災・原子力発電所事故等対策本部副本部長)先生が基調報告をなされ、いつも刺激を与えてくれる阪神・淡路まちづくり支援機構の事務局長であられる弁護士・津久井進(日弁連災害復興支援委員会副委員長)先生が取り纏めをなされました。
半年前の関東東北豪雨によって被災なされた常総市の晝間きよ子さんも基調報告をなされました。
(常総市支援活動の先遣隊)
その中で、現在の被災者の捉え方=罹災証明書単位での把握という問題点が浮き彫りになりました。
従来のお金だけの問題、家の被害だけでは測ることのできない新たな枠組み、すなわち生業・生活に着目し、一人一人を大事にした生活再建支援制度の抜本的改善が提言されました。
弁護士たちは無力感と反省の視点に立ち、検証して新たな枠組みの構築を目指しています。
(常総市被災の様子)
我々、不動産鑑定士はこの5年間どうだったでしょうか。
ある者は地価公示、地価調査を通じて災害を踏まえた適正な地価を把握し、ある者は防災集団移転促進事業(高台移転)に絡み、ある者は放射能によって汚染した土地の財物賠償に絡み、ある者は中間貯蔵施設用地の買取り価格の目安を判定したことでしょう。
(岩手県大船渡市碁石海岸囲碁まつり・無料相談会)
制度の枠組みの中で関与することはあっても、
①積極的に教訓を蓄積する活動はしたのか。
②過去の教訓を活かして行政のため、国民のための法律や制度について提言を行ったのか。
或いは、③今後発生する災害に備えて、新たな行動を起こしているのか。
(岩手県大船渡市綾里地区)
①については場当たり的であり、実態を知るに限られた感があります。
②については、ノーアクション。
③については、幾つか取り組んでいると考えます。
公益社団法人福島県不動産鑑定士協会震災復興対策室が行っている「東日本大震災後の福島県不動産市場動向アンケート」や、近畿不動産鑑定士協会連合会が主体的に行っている「南海トラフ大地震の予想被害や津波想定区域における地価の状況把握」は、教訓の蓄積と今後発生する災害に備えた新たな行動です。
(福島県浪江町沿岸部視察)
また、私たち公益社団法人東京都不動産鑑定士協会相談事業委員会が3月18日に開催する住家被害家屋状況調査の応用研修については、迫りくる首都直下型地震に備えるための活動であり、行政、国民のために不動産鑑定士の知見を最大限に活かすことができるものであると考えます。
(7都府県不動産鑑定士の意見交換・福島大学)
やらなければならないことは山積みで限りなくありますが、災害支援活動に関与している不動産鑑定士はごくごく僅かであり、5年を経ても現状について他の不動産鑑定士に知ってもらう段階にあります。
被災を経験した不動産鑑定士の関心度は高いのですが、我々東京会を中心に被災を経験していない不動産鑑定士の関心度は極めて低く、他団体に比較して5周ほど後手に回っています。
(宮城県石巻港付近)
支援活動を通じて気付いたこと、反省すべき点ですが、ありふれた言葉、当たり前のことです。
「当事者としての意識を持つこと、関心を持ち続けること」が重要であると思っています。
大切な人をなくした方もそうでない方も、家を失った方も被害が少なかった方も同じ日本人であり、同じ地球上の事実です。
(赤坂プリンスホテル避難所)
5年という節目を迎えますが、区切りとはほど遠く、道半ばであって今もなお継続し続けている問題です。我々は皆、復旧と復興についての当事者です。
津久井進先生が哲学的に言う所の「問題が問題として認識されていない問題がある」ということが、最大のハードルです。
(東京ビッグサイト避難所)
現行の被災者生活再建支援制度の問題点を睨みつつ、被害状況に応じた被災者ひとりひとりの生活再建支援に向けて、我々不動産鑑定士のすべきことと、できることのギャップを埋め続けていきたい、会員各位に向けて会務・公務を通じて提言し続けていきたいと思います。
できることからコツコツと。諦めず、粘り強く。
(災害復興まちづくり支援機構シンポジウム・東京都庁第一本庁舎大会議室)
奇しくも、昨日3月10日(佐藤の日)は、会社設立記念日です。
創業満11年、12年目の幕開けでした。
皆からおめでとうと言われて嬉しく思いますが、3.11のこと思うと身の引き締まる思いが強いです。
(宮城県多賀城市)
不動産鑑定士 佐藤麗司朗
以下、支援活動等に僕自身が関与した過去ブログです(長嶺さんがリンク先を纏めてくれました)。
2011-03-12 PRAY FOR JAPAN, GOD BLESS JAPAN
2011-03-18 冷静でいること。普通に生活すること。
2011-03-29 避難所での相談会 --- 東京ビッグサイト ---
2011-04-02 走りながら考える日々。自分にできること。
2011-04-05 東京の明るいニュース♪上野のパンダ!
2011-04-14 味の素スタジアムにおける相談会
2011-04-16 走りながら考えていること(熱苦しいですょ)
2011-05-06 不動産鑑定士で被災地に行った人は何人いるのでしょうか?
2011-05-12 赤坂プリンスホテルの避難所
2011-06-21 梅雨明けが待ち遠しいですね
2011-07-02 イケニシブクロ - いま、僕らが出来ること -
2011-07-09 460名ものエントリー!!7月15日は都庁へ!
2011-07-12 楽しんで仕事をする!しかし午前様!みたいな。。
2011-07-15 東日本大震災復興支援シンポジウム
2011-08-11 (1日目)被災地における復興協議会(岩手)
2011-08-12 (2日目)被災地における復興協議会(福島)
2011-08-19 (ゴールデンウィーク)僕が見た被災地(宮城県)
2011-09-01 (3日目)被災地における復興協議会(宮城)
2011-09-09 9.11、新宿駅に集う東京の12士業たち!
2011-09-15 その後の「イケニシブクロ」とアレやコレ。近況報告特大号!
2011-09-22 明日は池袋東口!食べて応援しよう!被災地産直販売会!
2011-11-21 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案の成立
2013-03-12 東日本大震災。もう二年。
2013-07-22 首都直下地震に備えるマンション対策
2013-07-23 社長の帰還、そして再び
2013-07-26 社長からのブログ指令
2013-09-05 首都防災ウィークお知らせ+おまけ
2014-04-25 社長、神戸のシンポジウムに行く&歴史に見る震災展
2014-05-22 シンポジウム「津波から人命を守る」に参加して
2014-05-29 囲碁まつりと無料相談会+オマケ(世界一のカレー)
2014-06-12 続報!碁石海岸囲碁まつり!!
2014-08-21 災害に係る住家被害認定調査
2014-09-05 第2回首都防災ウィークのお知らせ
2014-10-02 社長、福島県災害現地に赴く&沖縄のお土産
2015-01-09 阪神淡路大震災から20年・シンポジウムのお知らせ。
2015-01-27 かんていTOKYO・弊社代表による報告
2015-03-23 社長&辻さん福島県出張中!
2015-07-15 首都直下地震に備えての復興準備計画
2015-09-11 東京都不動産鑑定士協会第40回定期研修会
2015-11-12 常総市無料相談会&北区無料相談会のお知らせ
仕事も遊びも一生懸命。
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